大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 平成4年(オ)1310号 判決

上告人

中村豊

上告人

片山明吉

上告人

植田亘一

右三名訴訟代理人弁護士

横山茂樹

熊谷悟郎

塩塚節夫

中原重紀

石井精二

岡村親宣

山田裕祥

被上告人

三菱重工業株式会社

右代表者代表取締役

相川賢太郎

右当事者間の福岡高等裁判所昭和六〇年(ネ)第六一六号懲戒処分無効確認請求事件について、同裁判所が平成四年三月三一日言い渡した判決に対し、上告人らから全部破棄を求める旨の上告の申立てがあった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人横山茂樹、同熊谷悟郎、同塩塚節夫、同中原重紀、同石井精二、同岡村親宣、同山田裕祥の上告理由第一点について

使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない政治的目的のために争議行為を行うことは、憲法二八条の保障とは無関係なものと解すべきことは、当裁判所の判例(最高裁昭和四三年(あ)第二七八〇号同四八年四月二五日大法廷判決・刑集二七巻四号五四七頁)とするところであり、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができ、原判決に所論の違憲はない。論旨は、採用することができない。

同第二点及び第三点について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、いずれも採用することができない。

よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 藤島昭 裁判官 中島敏次郎 裁判官 大西勝也)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例